炭窯づくりプロジェクト

<間伐・集材> '08.5~7月

伐り倒した間伐材を集める。
炭窯の土留め、炭焼きの炭材、さらに上屋をつくる材料などに、すべて間伐材を使うため 。

<間伐材を運ぶ> '08.5~7月

窯をつくる場所 (盛岡市手代森堀)へ運び込む。
最大積載量350kgの軽トラックで運ぶため何回も往復した。

<皮剥き作業> '08.7月

窯の土留めや窯の型枠をつくるための杭、また上屋に使う材は相当の量になる。これを全部剥がなくてはならない。地味だが根気のいる作業。

<造成工事> '08.6月~7月

窯の設置場所は藪だらけの荒れた原野。
バックホーで掘削、地均し。※バックホーは近くの農家から借りる。

窯の設置場所はなかなかのロケーション。奥羽山系の山並も望めるところ。

窯へ通じる坂道もつくる

<使う粘土を決める>

粘土の良し悪が窯づくりの鍵になる。窯づくりに適した粘土が遠野市のレンガ工場にあるのが判り、その粘土を使うことにした。

※ 粘土堆積場・遠野市白岩

<粘土の搬入>'08.7.31

7月の長雨で粘土の堆積場所から運び出せず、本格作業の直前にやっと届いた。窯の設置場所まで運ぼうとしたがトラックが坂を登れず、バックホーで脱出。

<窯本体づくりスタート>'08.8.2

窯の概要、作業の手順など窯づくり指導の沖登さんから説明をうける。

会員のほか、一般の人3人も参加。

<設置場所を決める>

巻尺で窯の範囲を測る。

<暗渠づくり>

窯底の部分を深さ50cm掘り下げる。
※ 暗渠‥‥炭焼きの時に炭材から出る水分を吸収させる浸透装置。

一番下に丸太を敷き、その上に短く切った潅木をのせる。

※ 炭材の半分は水分。炭焼きのとき水分の大部分は水蒸気となって排煙口から出るが、煙道で凝結した水分はこの暗渠に浸透する仕組み。

更に、瓦の破片を潅木の上に乗せる。

更に、瓦の破片を敷き詰める。

丸太、潅木、瓦片と3重に積むなど、吟味する。

会員の藤井さんが大型のバックホーを持ち込み、土を被せドンドン突 き固める。

更に、丸太や填圧具を使い人力で突き固める。
エンヤコーラの世界。

これほど頑丈につくるのは、この上に窯本体をつくる基礎になるからだ。

<窯の形を描く> '08.8.3

暗渠の上の窯床部分に、窯の形を描き、目印の杭を打ち込む。
これが、これからの作業の基準になる。

<排煙装置(エントツ)>

炭焼きは窯の熱を如何にコントロールするかできまる。
それを司るのが排煙装置だ。
予め造って来た木枠を設置場所に据え、耐火レンガで組み立てる。

大事な部分であり、レンガを寸分狂わぬように積み重ねていく。指導の沖さんの手ほどきで大切な煙道づくりに挑戦。

耐火レンガの目地とし使うモルタルは出来るだけ薄くするのがコツ。
そうしないと乾燥したときに目地が痩せて隙間ができるという。

この排煙装置(エントツ)は、また後で、窯本体がある程度出来た段階で仕上げることになる。

<杭�小割りづくり>'08.8.3~

杭の土に打ち込まれる部分は腐れ防止のためバーナーで焼く。

窯づくりに必要な丸太は多量だ。土留め用、型枠用、炭材、窯の上屋用などに使われる。
杭づくりも重要な作業だ。

カラマツの杭‥‥‥窯の一番外側に打ち込んで土留めにするもの。
※ カラマツはスギに比べて硬く、また腐れ難いという。

小割り‥‥‥丸太を玉切りして細かく四つ割りなどにする。 
小割りは窯の形をつくるため必要。また、炭焼きの焚きつけにも必要になる。

現代の木割りは電動機械
マサカリの代わりに電動木割り機 (当会所有)も登場。
楽チン楽チン!

<窯の形枠づくり> '08.8.3

杭打ちからはじまる。地面に記した窯の図形に沿って杭を打ち込む。

脚立に乗って杭を打ち込むのは至難の技。身体のバランス感覚がなければ難しい。
ヨイショ!

窯内側の線に沿って杭を打ち込む。かなりはっきりと窯のイメージが出てくる。 

<焚き口の取付け>

火の焚き付け、人の出入り、炭材の詰め込み、炭の取り出し等の重要な部分。四角形ラッバ状の木枠の取付け。

窯の型枠をべベニヤ板を張りつけてつくる。
チェンソーでの造作は得意。

型枠を作って、炭窯のイメージが更に はっきりしてきた。
※この内側の木枠は窯が出来上がって初回の炭焼きで焼却されることになる。
※粘土が届かないので、4 ,5日は本体づくりは中休み。
上屋づくりに使うカラマツ丸太などを運ぶ。
※4日から天気は快晴。13日まで連続「真夏日」になる。

<炭材の立て込み>08.8.6

窯の内部に炭材を隙間無く立て込む。 側壁(腰)を強く突き固める時に、木枠が壊れないようにしっかりと立 てていく。 
※ この日に粘土が届くので窯本体の作業に拍車をかける。

排煙装置 (エントツ)が付く周りの炭材だけは横に置く。
理由は側壁を造った後、エントツの木枠に内側から火をつけて燃やすで、炭材を取りやすくするため。

エントツの通気口をつくり、木枠の周りもレンガやセメントで組み上げ、頑丈にする。

<木枠の縁に土を入れる>

窯の木枠が出来、焚き口、排煙装置 (エントツ)も据えたら、先ず、窯の縁部分に土を入れる。
この部分は窯ではないので普通の黒土でかまわない。

<粘土の搬入> '08.8.6

堆積場がぬかって運び出せ なかった粘土がやっと遠野から届く。
窯づくりは計画通りには進まずヤキモキしたが、これで、窯本体をつくる材料が揃う。

<窯本体の「土」づくり>   ~この日から毎日つづく~

粘土、砂、セメントを調合してつくる「土」が、窯の良し悪しを決める。
粘りが強すぎると窯が割れ、少ないと砕ける。

先ず、粘土の塊を小さく砕く作業から始まる。
粘土を小さく砕くのはなかなか難しい。
畑で使う小型耕耘機(管理機)を持ち込み粘土を砕く。
根気の要る作業だ。

4日から連日の快晴がつづく。
炎天下の作業は体力を消耗する。
昼食後、木陰で暫時の昼寝。

<延々と続く「土づくり」>

砕いた粘土に砂を入れ、セメントを混ぜて調合するが、微妙な割合で混ぜ合わす。

混ぜあわせたら、水を加えてある程度の柔らかさにする。
リンゴ畑で使うスピードスプレも運び込まれ土づくに参加。

<調合した「土」をテスト>

つくる土窯は炭材を800℃で炭化させるもの。窯はそれに耐える必要がある。そのためのテスト。
調合してつくった「土」を固めて炭火で焼いて見る。

固めた「土=試料」を、炭火にいれる。

※ この炭火の炭は昨年炭焼き研修でつくったもの。

焼き上がった土(試料)。

これを地面に落として、その割れ具合で「土」の良し悪しを判断する。

何度か粘土、砂、セメントの割合を変えて錬った試料を焼き上げて地面に落としてみた。

窯づくりの「土」を決める。

地面に落下させ大きな塊で割れたものが合格。
この塊りの「土」が最適との判定。粘土、砂。セメントはこの調合割合で混ぜる。

 <側壁 (腰) づくり> 

先ず、調合した「土」を型枠に入れる。
大量の「土」を入れるため、人海作戦で運び上げる。
リンゴを摘む籠は土運びに便利だった。

側壁部分をランマーで突き固める。

狭い場所でこの機械をコントロールするのは、なかなか難しいが、人が突くより効率が断然よい。

側壁の最上部まで突き固まってきた。
ランマーを使っても約半日を超える作業になった。昔はカケヤで打つのが普通だったと言うが、相当根気の要る力仕事だったことが分かる。

<排煙装置(エントツ)の木枠を焼却> '20.8.9

側壁を突き固めた後、エントツの木枠を焼却する。
窯の中に積み込んでいた炭材を一旦取り除いて下の煙道口で火を焚きつける。

この煙道口が炭焼きのとき窯内の煙が通るところ。窯の最も重要な部分。

やがて、中の木枠が焼け落ちレンガ等で組み立てたエントツ部分になる。

<天井 (鉢) づくり> '08.8.10

いよいよ、天井づくりの段階まですすんだ。
窯内に立て込んだ炭材の上に、丸太を積み、ドーム状に盛り上げる。

木組み細工のように太い、細い、長い、短い木を上手く組み合わせて形を整えていく。

亀の甲羅のようなドーム状の形が出来てきた。

最後に凹凸を少なくするため組み込んだ丸太の隙間に四つ割りにした小割りを埋め込む。
ここまでくると窯の形もはっきりしてくる。

※ この段階で日が暮れ、「土」を盛 り上げ突き固める作業は翌日にする。

<天井づくり~2日目> '08.8.11

まず、壁の部分に水を湿らせ天井になる「土」と馴染むようにする。

前日、丸太や小割りでつくったドーム状の木組みに古い畳表を被せ「土」を外側から少しずつ盛り上げる。

「土」の盛り上げも丁寧に、籠で運ぶ。

窯が壊れるのは殆んどが天井が抜け落ちるもの。とにかく、天井づくりは慎重を要する。

※ 突き固め‥‥土の中の空気を抜くこと。

この段階で、プレート(土を平に押し均す機械)を使ってみたが、突き固める作業には、パワー不足で不向きだ。

外壁の突き固めで威力があったランマーを天井づくりにも使う。
ただ、どうしても側壁からの立ち上がりのところは斜めになっているのでこの機械ではなかなか難しいことが分かった。

その部分はカケヤなどで打ち固めることになった。

※ 窯をつくることを「窯打ち」という。みんなで根気よくカケヤや丸太で「土」を打ち固めるからのようだ。

ドーム状の木組み部分がすっかり「土」で被われてきた。
いよいよ天井の盛り土を固める作業に入る。

天井の平らな部分はやはりランマーで突き固めた。
一度、使って味を占めたので、どうしても使いたくなる。

この場面は、機械にお任せしているところ。

どうしても、ランマーで難しかった立ち上がり部分はカケヤや丸太で打ち固めるマンパワーに限る。

<吊り環の埋め込み>

天井が落ちないように吊り環を9個を取り付ける。出来上がった天井に埋め込む。

埋め込むため、出来た天井をクサビで切り取って吊り環を埋め込む。

彫って埋め込む作業も根気の要る作業。

<窯本体が出来上がる>

この日のうちに、窯本体のつくり方を終了したいとの思いがあり、日が暮れても作業を続け、修了は7時近くなった。
本体が出来て一段落。後は乾燥させながら上屋などの整備することになる。

<上屋づくり>  '20.8.17

窯を雨から守るためブルーシートを覆っていたが、この日から、上屋づくりを始める。
まず、柱をバックホーでで打ち込んでもらう。

<皮剥き作業>

窯の上屋も作業小屋も全て材料は間伐材でつくることにしているため、皮剥ぎは重要だ。
地味な作業を黙々と続ける。

棟木や梁など木の継ぎ合わせはカスガイを打ち付けるだけの掘っ立て小屋方式だが、手馴れたメンバーが見る間に小屋の形に仕上げていく。

垂木を乗せると、ますます小屋らしく見えてくる。
屋根材を乗せると出来上がりだが、きょうの作業はここまでにして、ブルーシートで被う。

<窯の補修>

一方、窯本体はできあがったが、乾燥を進めながら様々な仕事がある。
煙道口の仕上げもその一つ。

窯の天井にも細かいひび割れが出で来る。土窯である以上当然のことらしい。水分が少なくなり窯が縮むわけだ。
天井部分を叩いて固めながら割れを塞ぐ作業も大事だ。

<屋根葺き> '08.8.30

予算の関係もあり、上屋の屋根材は安いにプラスチックの波板にした。
安っぽさはあるが、明るい小屋になったメリットの方が大きい。
※一般に炭焼き小屋は暗い イメージがある。

窯本体が出来、雨風をしのぐ上屋も完成。
これで雨露を凌ぐ「炭焼き小屋」は完成。
ほっとして写真をパチリ!

※この後、窯を自然乾燥する。

<自然乾燥しながら更に補修がつづく>

窯正面の補修。
屋根が上がった後も、補修する箇所が次から次とでてくる。
乾燥が進んでいる証拠だ。

焚き口も手を加える。
その度に、更に窯らしく整っていく。

<梁に吊り環を繋ぐ> 80.9.14

天井の崩落が炭窯の命取りになる。天井が落ちるのを防ぐための吊り環を梁に?ぐ。

吊り環と梁の間に伸縮を調整する「ターンバックル」を取り付ける。

窯は生き物のようだ。乾燥で天井が少しずつ下がってくる。目に見えない微妙な動きだ。
それを察知するのが吊り環を梁に?いでいる番線の張り具合だ。それを調節するのがターンバックル。

いと太鼓判を押される

窯の顔ともいえる焚き口の周りをレンガ張りにしようかと仮に積み上げてみた。
なかなか格好は良く見える。
※ ここから更に自然乾燥をほぼ 1ヶ月続ける。

<いよいよ炭焼き・開始> '08.10.12

ほぼ2ヵ月かけて窯を自然乾燥させ、いよいよ窯に火を入れる。
ただ、今回に炭をつくるよりも、中に立て込んだ炭材を焼きながら窯を乾燥させるのが狙い。

はじめは、焚き口のところで薪を燃やし窯全体を暖める作業。炭材に着火しないように、しかし、薪は燃えるようにしなければならない。
微妙な焚き火のコントロール。徐々に温度が上昇し炭材の着火までつづける。

<着火>  '08.10.19

焚き口から炎が噴き出したのを合図に薪の投入を止め焚き口 (薪の投入口)を閉じる。炭材本体に着火した合図だ。
この後は通気口と排煙口の開け閉めの調節で温度を管理する。

<変化する窯の表情>

窯の温度が上がるごとに窯の様子が変化してくる。見た目には分からないが天井が徐々に下がる。
天井を支えている吊り環の番線が張ってくるので分かる。取り付けているターンバックルで調整する。

窯全体から湯気が立ってきた。

窯本体の土は水を殆んど使っていないが、湿気が窯の表面に出てきた。
その部分は水気を帯び黒ずんでくるのでわかる。

<ひび割れ>

窯が高温になってくると「ひび割れ」も出てくる。
可なりの「割れ」と心配したが、土窯では当たり前のことらしい。
云われてみれば、土の湿気が無くなばひび割れは起こるはず。

<補修作業>

この部分は窯本体の地肌だが、修復作業して直した。
ただ、丁寧な作業を要す。

割れ目を、若干、V字形に彫り、耐火モルタルを水で溶いて割れ目に静かに静かに注ぎ込んでやればよい。

炭窯は本体ができれば完成というわけにはならない。次々起きる症状 (ひび割れなど)を養生(補修)しなければならない。生き物のようだ。

窯の表面も熱くなってきた。

<精錬 (ねらし)> '08.10.27

今回の炭焼きは炭をつくることが目的でなく窯を乾燥させることだが、一応、炭焼きの工程に従っている。
いよいよこの日は精錬に入る。 

※煙も白から紫に変わりやがて煙 出なくなるのが目安。

午後2時、通気口を全開、排煙口も半分を開ける。温度上昇がつづく。この調子だと夜の8時ごろに消
火のため完全閉鎖ができそう、と判断し、8時にスタッフは再集合した。排煙口に白く変化した時が、完全閉鎖のタイミングと言われていたが確かに白くなっている。
よし! 消火だ!

<通気口・排煙口を閉鎖>

午後8時、懐中電灯を頼りに、用意していた粘土で密閉する。
窯の熱で張り付けた粘土から湯気が立つ。

炭焼きの温度管理は終った。

<窯だし> '08.11.9

間もなく、結果が出る。
窯は壊れていないか、立て込んだ炭材は果たして炭になっているか緊張の朝。
※窯づくりを指導した沖さんも来る。

窯を開け、中の様子をうかがう。

「どうだ!?」

「炭だ!」

炭材は大分減っている。半分は燃えて灰になったようだ。

もちろん、今回の炭焼きは窯を乾かすためのもので炭は余禄にすぎないが、それでも炭らしいものを見てほっとする。。

つぎつぎ空箱に詰め込まれた炭が窯から出てくる。

準備期間を入れて3月から始まった「炭窯づくりプロジェクト」の成果が白日も下に出てくる。

<完全に炭化していない炭>

炭材は上は炭化しているが底に着いていた部分は未炭化のものもある。
 炭窯内の温度は、天井と底では400度の差があるそうだ。
それでも、まだ完全に乾燥していない窯にしては上出来と専門家の評だ。

<窯の内部は?>

窯の内側、ここが 800度の熱で間伐材を炭化するところ。

窯内の側壁はに一箇所、弱いところがあっが、致命傷ではない。

天井‥‥‥丸太を積み重ね、四つ割りの小割りでドームにつくったが崩れてはいない。
凹凸が目立つが割れも見られず、まずまずの出来栄えではないか。

<一回目の炭焼きを終る>

自分で木を伐り、炭につくる過程を一通り体験。
今回は完全な炭ではないが、炭を焼く目途がつく。
間伐材利活用=温暖化防止に役立つ施設が出来たことになる。

※ この日で「炭窯づくりの終了」とする。

<2回目の炭焼き準備> '08.11.13

窯もまだまだ乾燥させなくてはならない。炭にする間伐材は幾らでもある。
次の炭焼きの準備に取り掛かろう。

<炭材の準備>

今回、太い炭材は割ってみることにする。
使う間伐材は、焚きつけの薪、窯内の炭材の上に置く小割り材を含めて6?になる。

<炭材の重さを測る>

樹木はどれほどの炭素を貯めているのだろうか、実証してみようとの試み。サンプルにした炭材を測っているところ。

※黒炭の炭素率85~90%。 生の炭材の1/4が炭素という。それを実証する試み。

<2回目炭焼き開始> '80.11.15

炭材の立て込み。手送り作業で立て込んでいく。
人海戦術は団体の強み。

立て込み方も工夫がいる。
排煙口の前は、X掛けにし煙が通りいいように組む、後は下の太い方を上にて出来るだけ隙間が無いように直立に立てる。

炭素率などを知るため計測したサンプルの炭材は窯の中央部にセットした。

<祈る>

人智の及ばないことに対して祈る気持ちが生ずる。炭焼きもそんと
ころがあるのだろうか。窯の前で頭を垂れる。

<点火>

焚き木に火を着け、2回目の炭焼きを始める。

18日まで炊き続ける。
窯の温まりかたが早く、3日ほどで温度が上がる。

※前回とは全然違う温度上昇のスピード。

<着火> '08.11.18

排煙口で90度に達した。着火と判断し薪の投入口を閉め、温度のコントロールは通気口と排煙口の調整で行う。

※ 炭焼きの醍醐味‥‥煙の色、味、匂い、温度、音を五感をフル動員して窯内の様子を推し量ること?

<窯前で即席ラーメン>

昼には即席ラーメンで腹ごしらえ。

温度コントロールはほぼ1時間ごとに行う。窯は急激な温度の上下がないことが分かり、1回目よりはずっと気持ちに余裕が持てるようになる。

<温度計測>

3万円で購入温度計で排煙口の温度を測っている。

※ 昔の人は温度計など使わずと五感を働かして、高品質の炭をつくっていた

<温度のデータを記録>

ほぼ1時間ごとに計測。この温度で炭化の進み具合を読み取る。

※このデータを蓄積すれば、きっと 良い炭が出来る。

<精錬>  '08.11.21

炭化が進み、温度も順調に上昇、そろそろ精錬(ねらし)の段階かとデータと照らし合わせているところ。

<消火>

午後通気口と排煙口を徐々に開け全開にする。
午後4時温度400度に達したところで一気に消火に入る。
完全密閉する。 
2回目の炭焼きの工程は、これで終了。

<窯だし>  '08.12.13

焚き口に近いところには灰が積もっている。
炭材は大分減っているようだ。

炭はあるか? 

照明を当てて見ると炭化した炭材が立っている。
立て込んだ炭材の6割は、ちゃんと炭になっているようだ。

窯の中の作業。
出来た炭を箱詰めする。
前回の炭焼きよりも炭化状態は良い。

次々引き出される炭。

※ 生花店からもらった古箱に詰めて外に引き出す。この箱は丁度炭材の長さに合う。

<焼き上がった炭の計測> 

炭の炭化データなど取るために立て込んだサンプルの重さを測る。
生で入れた炭材 (樹木) が、どれ程炭素を固定しているのか、実証してみようとの試み

また、この窯の今回の収炭率はいくらかを把握するため、全量を測る。 

<結果>

■ 収炭率‥‥‥1/11
炭材(生木) 3,336kg
炭        279kg
※ 灰になった分が多い。せめて1/6程度にしたい。

■ 炭素含有率 ‥‥生木の1/5 
炭材サンプル    47.4kg
炭化したたサンプル 9,55kg 
※ 窯の中央部に立て込んだのでほぼ予想通りの数値。 

積み上げられる炭。
一部に未炭化の炭も見られたが、前回より大分少ない。
窯がまだ完全に乾いていないためと考えられる。
後2,3回、火を入れると窯も安定してくるに違いない。

<炭窯づくりプロジェクト~完遂>

準備段階の’08年3月から始まり、8月の炎天下での窯づくり、その
後の小屋づくり、窯の修復、更に炭焼きと10ヶ月にわたるプロジェクトも無事終了。

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